手術の目的

大量の血液が左心室から左心房に逆流すると、左心房はじわじわ押し広げられます(左心房拡大)。
左心室に入ってくる血液も増えます(左心室拡大)。そして1日に10万回収縮している左心室の壁には、収縮、拡張するたびによけいに力がかかり、筋肉でできている左心室の壁は肥大し、いたんできます(病的心筋肥大)。これがどんどん進むとやがて変性した筋肉は、血液を送り出す力が落ちてきます。


また左心室より薄い筋肉で出来ている左心房の壁もだんだん大きく引きのばされているうちに、きちんと収縮せずふるえるだけの心房細動という不整脈をおこすようになります。これが脳梗塞の原因となります。

このように、「心臓の壁の病気の進行」をストップさせること、が手術の目的です。

病気の診断を受けたとき、左心室や左心房がかなり拡大し、力も落ちているのに症状がない、ということもあります。このような方は、手術によって逆流を止めても、正常の心臓と同じような良い心臓にもどることはできませんが、「壁のいたみの進行を止める」ことによって、「より長い寿命」を手に入れることができます。

僧帽弁の逆流がなくなることによって左心房の圧力は下がり、血液の停滞は緩和されて血液がスムーズに流れるようになります。これにより心臓だけでなく、肺や肝臓も負担がとれます。