心臓手術の合併症

前述のように体がこれまで経験したことのない「非生理的」環境におかれるために、手術の前には予想もしなかったことがおきてしまうことがあります。
その発生率はいずれも低いのですが、おこる可能性のあることは、


  1. 脳合併症(出血、梗塞など)
  2. 肺合併症(呼吸不全、肺炎など)
  3. 心臓合併症(心筋梗塞、心不全、心タンポナーデなど)
  4. 腎不全(透析など)
  5. 出血(再開胸止血術など)
  6. 肝障害
  7. 感染(縦隔炎、創部感染、感染性心内膜炎など)
  8. 消化器合併症(胃潰瘍、腸閉塞など)
  9. 不整脈(一時的心房細動,頻拍症、ブロックなど)
  10. その他(アレルギーショック、など)

このなかで特に感染はこわい合併症です。健康な状態では人間の皮膚、鼻腔などにいて病気をおこさない細菌が心臓手術後の低免疫状態(心臓病のかたはもともと免疫力が落ちていますが、人工心肺によって著しく免疫力が低下します)で創部感染、肺炎などのこわい感染症をおこします。
免疫状態が回復するには数ヶ月かかるので特に創部感染などは退院後におこることもあります。
これらの合併症は集中治療室から病棟に帰った後おこることもあり、そのため手術後約1週間は入院検査が必要であり、退院後もしばらくは1-2週間おきの通院が必要になります。
手術の危険性は心臓そのものの危険性以外にこれらの合併症による危険性が含まれます。