僧帽弁形成の出来る確率は?

弁形成の出来る確率は何パーセントくらいできすか、と良く聞かれます。
「病変が後尖だけの場合は99%、前尖あるいは前尖+後尖の場合は95%前後」と答えています。


ここで「形成できます」、とは5年や10年で悪くならない形成を意味します。
私自身はこの手術をたくさんやるようになってから20年以上たちますが、もちろん技術的な進歩はあり、最近は難しいものも以前とくらべるとかなり良い出来上がりになっていますが、弁形成が不可能あるいは不適当という手術中の判断で人工弁にかえる率は(再手術例が多く含まれますが) だいたい全体の3-5%くらいです。


この数字は技術の進歩だけでは0にならないと思います。弁が高度に変形したり、かたくなっていると良いできあがりは望めません。
では解決法は?それは早い時期に手術することだと思っています。


強い逆流が長い年月の間続いていると、左心房の壁の表面にはたくさんささくれのような変化が出来てきます。
左心房の表面と連続している弁の表面も同じです。これを二次的な変化(secondary jet lesion)といいます。
胸のレントゲン写真で心臓が大きくなっているような人の弁はたいていこの二次的な変化が進んでいます。


早い時期に手術すると弁のいたみは少なく、出来上がりも非常にきれいで何年たってもエコーはきれいです。
逆流が強くなったら早めに手術したほうがいい、という最大の理由はここにあります。