僧帽弁形成術の実例

手術中の画像、手術後のエコー写真によって、実際の僧帽弁形成術、典型的な実例をお示しします。


早稲田大学生体制御研で開発した僧帽弁シミュレーターでブタの僧帽弁を用いています。人間のものとほとんど同じです。

僧帽弁についているひものような腱索は左心室の壁の内側の筋肉の突起(乳頭筋)から出て細く枝分かれし、弁の裏側や縁に繋がっている。この腱索がのびたり切れたりすると弁の逸脱、逆流がおきる。
のびたり切れたりした腱索を糸で代用して治すのが人工腱索再建術でありPTFEという糸が用いられる。
図a 乳頭筋に糸を縫いつけたところ。図b 逸脱した弁の縁にPTFE糸を縫いつけているところ。

図a:前尖の主要な腱索が切れて前尖全体がぶらぶらになって飛び出していた(前尖の広範囲な逸脱)。
図b:前尖に12本の腱索を再建(人工腱索再建術)し、人工リングで弁輪の形を整え(弁輪形成術)図のように正常の僧帽弁に近い形で形成術が完了した。手術後9年経過して弁の逆流はない。

図a:前尖の腱索が全体に延長、前尖は面積が大きく、接合面に肥厚、変形が見られ、全体に逸脱している。
図b:後尖の中央は大きくかつ肥厚変形逸脱。
図c:形成後の閉鎖状態。前尖の逸脱は人工腱索で修復。後尖は逸脱部を切除している。

図a:後尖が大きく著しく逸脱している。
図b:前尖も弓なりに逸脱している。
図c:左心房の中が逆流の色で充満している。高度の逆流を示す。

図a:前尖後尖の逸脱はなくきれいにあわさっている。
図b:心臓収縮期、弁が閉鎖したときのカラードプラ検査。左心房のなかに逆流の色は見えない。逆流がまったくないことを示す。手術後10年経過し、逆流の再発はない。

図a:弁全体がカリフラワーのようにもりあがった形をしぶ厚くなっている(バーローと呼ばれる)。とくにこの写真に写っているところは大きく、後尖の中央部分であるが正常の弁の前線よりも面積が大きい。
図b:前尖も大きく、長い形をし、厚みがある。

図a:大きな後尖を切除しているところ。後尖、前尖の逸脱部分には人工腱索再建を行い、長い前尖の形にあわせた弁輪形成を行った。
図b:経食道エコーでは弁の逸脱がなくなり逆流のないことが示された。